ライティングを調整する

[ライトEQ] ツールを使用して、画像内で光が適切に表示されている領域を変更せずに、画像の暗すぎる、あるいは明るすぎる領域を調整することができます。また同時に暗すぎる領域の暗さを明るく、明るすぎる領域の明るさを暗くすることができます。例として、海や窓など明るい背景で人物を撮影した場合に、人物が暗くはっきりと顔が見られないけれども背景の明るさは調整しなくても大丈夫な写真、が挙げられます。実際には、ほとんどの写真は曇天あるいはフラッシュ発光で撮影されるます。 そのため、シャドウとハイライトを使用して微調整をすると出来上がりに大きな差が出ます。

使用した設定は プリセット として保存し、後で再利用することができます。

[ライトEQ] はとても多機能なツールです。4 つのタブから選択することができ、各タブの設定によって結果が変わります。また、画像の特定領域を調整するためのキーボードとマウスのショートカットもご利用いただけます。

ライトEQ ツールを開くには:

[ライトEQ] モードで、 [露出/ライティング] グループから、[ライトEQ] をクリックします。

[1-ステップ] タブを使用する

ライトEQツールで画像を開くと、開かれた 1-ステップタブで画像の露出が自動で調整されます。さらに調整するときは、度合のスライダを使用して変更します。1-ステップで自動で調整された露出に戻すには、 リセット ボタンをクリックします。

[ベーシック] タブを使用する

暗い領域に明るさを加えるには:

  1. [ハイライト] スライダを右にドラッグし、画像の暗い領域にハイライトを追加します。
  2. 以下の表で解説されているあらゆるコントロールを使用して、設定を調整します。

明るすぎる領域を暗くするには:

  1. [シャドウ]スライダを右にドラッグして明るくし、暗い領域のディテールを引き出します。
  2. 以下の表で解説されているあらゆるコントロールを使用して、設定を調整します。

暗すぎるまたは明るすぎるミッドトーンを調整するには:

  1. [ミッドトーン]スライダを右にドラッグして明るくし、暗い領域のディテールを引き出します。
  2. 以下の表で解説されているあらゆるコントロールを使用して、設定を調整します。

ライトEQのコントロール

スライダ上を右クリックする

スライダ上を右クリックしてリセットします。

露出警告を表示する

[露出警告を表示する] をクリックすると、 [プレビュー] に露出アンダーが緑のピクセルで、[プレビュー] に露出アンダーが緑のピクセルで、露出オーバーが赤のピクセルで表示されます。[E] キーをホールドすることで、露出警告を一時的にオン/オフに切り替えることができます。

自動

クリックして、画像を分析させ、画像の明るさと暗さのピクセルの量を基準に最適な設定を適用します。既に明るい領域はあまり変更されず、暗い領域が明るく設定されます。

完了

変更を適用してツールを閉じるには、[完了] をクリックします。

キャンセル

変更を適用せずにツールを閉じるには、[キャンセル] をクリックします。

リセット をクリックして変更をクリアにし、既定の設定に戻します。変更を保存した場合は、設定をリセットすることはできません。編集設定のみを破棄したい場合は、 ファイル | 現像済みに戻すを選択します。

[標準] タブを使用する

「標準」タブには 2 セットのスライダがあります。上部のセットは明るさ用で、下部のセットは暗さ用です。各スライダのグラデーションはそのトーンバンドの明るさを示します。 上部セットのトーンバンドのスライダを上に動かすと明るく、下部セットのトーンバンドのスライダを下に動かすと暗くなります。

2 つのセットの間には、ブラックとホワイトにグラデーションのかかった 2 つの水平軸があります。これらのバーは、左側のスライダほど、暗いトーンバンドに反映されることを示しています。右側のスライダは明るいトーンバンドに反映されます。スライダを動かして、特定トーンバンド内の明るさを変更します。

バンド間には 2 つのグラフがあり、スライダを調整するにつれ変更されます。 このグラフは、画像のトーンレンジの明るさや暗さの量を表しています。2 つのグレーのグラフは、クリッピングを発生させずに適用できる最大の明るさまたは暗さの量を示しています。スライダを大幅に移動すると、クリッピングが明るいピンクで表示されます。

 

 

 

トーンバンド内のコントラストを増やしたい場合は、同量で上部セットのトーンバンドを上に、下部セットのトーンバンドを下に移動させ、明るさと暗さを同時に適用します。増加したコントラストの量が、上部グラフの上部と下部グラフの下部に表示されます。

[標準] タブを使用するには:

  1. 以下のいずれかの操作を行います:
  2. 変更を適用してツールを閉じるには、[完了] をクリックします。変更を破棄してツールを閉じるには、[キャンセル] をクリックします。

[アドバンス] タブを使用する

スライダ

アドバンス タブには、明るくするためのスライダと暗くするためのスライダが各 2 つずつ備えられています。[明るくする]および [暗くする] の各スライダは明カーブの形をコントロールする一方、[振り幅] スライダはカーブの高さをコントロールします。

明るくするあるいは暗くする量を増やすほど、画像内の明るい領域に対する暗さのバランスを増やすことになります。[振り幅] スライダは明るくする、または暗くする効果の強さを増やします。

ツールの下に位置する [スケール] スライダは、どのくらいの度合いで全体の調整を行うかを指定するためのものです。スライダを左に移動すると、より細かい調整を行うことができますが、ほとんどの画像では、既定値の位置のままにしておくと最良の結果を得ることができます。[コントラスト] スライダを調整してコントラストを増減するか、[フィルライト] スライダを使用して画像の暗い領域を明るくすることも可能です。

グラフ

[明るくする] と [暗くする] コントロールの間にある 2 つのグレーのグラフは、クリッピング(明るいピンクで表示されます)を発生させずに適用することができる最大の明るさまたは暗さの量を示しています。

[明るくする]、[暗くする] および [振り幅] のスライダをドラッグするにつれ、2 つのオレンジ色のカーブが変更されます。 これらのカーブは、画像のトーンレンジに適用された明るさと暗さの量を示しています。暗いトーンの領域は左手に、明るいトーンの領域は右手に位置します。画像上にカーソルを移動するにつれ、グラフの垂直線は、そのトーンレンジ内のカーソルの下にある領域のトーンレベルを示していることが理解できます。カーソルの移動では、通常 2 つのトーンレベルが表示されます。 これは、明るさと暗さのトーンレベルが必ずしも同じではないためです。また、明るさが最大カラー値を区別するのに対し、暗さが最小カラー値を区別することからも発生します。

「アドバンス」 タブは、グラフ自体、あるいは実際の画像上で、カーブを手動調整できるという点が独特です。画像上で行った調整は、グラフのカーブに反映され、グラフ上で行った調整は、画像に反映されます。

明るさを変更せずにトーンバンド内のコントラストを増やしたい場合は、同量で上部のカーブを上に、下部のカーブを下に移動させ、明るさと暗さを同時に適用します。増加したコントラストの量が、上部グラフの上部と下部グラフの下部に表示されます。

[アドバンス] タブを使用するには:

  1. 以下のいずれかの操作を行います:
  2. 変更を適用してツールを閉じるには、[完了] をクリックします。変更を破棄してツールを閉じるには、[キャンセル] をクリックします。

調整オプション - [アドバンス] タブ

領域

操作

結果

スライダ

[明るくする] をドラッグ

右に移動する:暗い領域に適用されるライトの量を増やします。

左に移動する:画像のすべての領域に、明るさが一様に増加します。

(カーブを手動で変更する、あるいは画像上で調整を行うと、スライダの名前が [カスタムカーブ] に変わります。

[暗くする] をドラッグ

右に移動する:画像の明るい領域に適用される暗さが増加します。

左に移動する:画像のすべての領域に、暗さが一様に増加します。

[明るくする] の [振り幅] をドラッグ

右に移動する:画像のすべての領域に適用される明るさの強度が増加します。グラフ内では、オレンジ色のカーブの高さが増加します。

左に移動する:明るさとカーブの高さの強度が減少します。

[振幅] スライダが 0 に設定されると、明るさは全く適用されません。

[振幅] が 100 ~ 200 の間に設定されると、クリッピングの量が増加します。

ほとんどの場合、振り幅を調整する必要はありません。

[暗くする] の [振り幅] をドラッグ

右に移動する:画像のすべての領域に適用される暗さの強度が増加します。グラフ内では、オレンジ色のカーブの高さが増加します。

左に移動する:暗さとカーブの高さの強度が減少します。

[スケール] をドラッグ

左に移動する:ツールが明るさに対して、より細かい領域を調整するように設定します。

これで、より小さな領域を個別に調整することができます。通常、既定スケール値 10 で最良の結果になりますが、明るくするべき領域に詳細が含まれているような場合には、スケール値を小さくするとよりよい結果になります。

グラフ

オレンジのグラフ(上部)をドラッグ

グラフ上を左クリックして上に向かってドラッグするにつれ、グラフそのものが変化します。グラフは調整している明るさを表します。グレーのグラフは、クリッピング(ピンク色で表示)を起こさずにドラッグすることができる最大量を示します。

グラフの高さは、各トーンレベルに適用された明るさのレベルを表します。(トーンは左がブラックで、右に向かうほどホワイトになります。)

グラフまたは画像上で明るさまたは暗さを直接調整すると、「明るくする」 または 「暗くする」 のスライダが、自動的に [カスタムカーブ] に変わります。この時点でスライダのポジションを変更すると、グラフまたは画像上で直接調整された変更はすべて破棄されますのでご注意ください。

グラフまたは画像上で明るさまたは暗さを直接調整すると、「明るくする」 または 「暗くする」 にある各 「振り幅」 のスライダが、現在のカーブの振幅を示した値に変わります。

グラフ(上部)をドラッグ

グラフ上を右クリックして下に向かってドラッグするにつれ、グラフそのものが変化します。グラフは調整している暗さを表します。グレーのグラフは、クリッピング(ピンク色で表示)を起こさずにドラッグすることができる最大量を示します。

以下のショートカットはすべて、画像およびグラフ用に使用することができます。

グラフのトーンバンドを変更すると、画像にその変更が反映されるため、特定のトーンバンドを微調整する場合に便利です。

画像

左マウスボタンを押した状態でダブルクリック

画像のその領域に最適な「明るくする」の値を自動設定します。顔などの明るい領域をダブルクリックすると、最良の結果になります。

右マウスボタンを押した状態でダブルクリック
(<SHIFT>キー + 左マウスボタンを押した状態でダブルクリック)

画像のその領域に最適な「暗くする」の値を自動設定します。

<CTRL>キー + 左マウスボタンを押した状態でダブルクリック

そのトーンレベルの周りにある明るさの量を増やし、それ以外の画像領域を暗くします。

特定のサブジェクトを素早く明るくする、または特定のサブジェクトを画像から浮き立たせたい場合に使用します。

<CTRL>キー + 右マウスボタンを押した状態でダブルクリック

そのトーンレベルの周りにある暗さの量を増やし、それ以外の画像領域に見られる暗さの量を減らします。

画像上をマウス ホイールでスクロールアップまたはダウン

画像のそのトーンレベルに適用される明るさの量が増減します。画像とグラフの両方に、変更が反映されます。

<SHIFT>キー + 画像上をマウス ホイールでスクロール

画像のそのトーンレベルに適用される暗さの量が増減します。

<A>キー を押しながら
+ スクロールする、あるいは
+ 左マウス ボタンを押した状態でドラッグ

[明るくする] の [振り幅] スライダを直接設定します。

<A>キー を押しながら
+ スクロールする、あるいは
+ 右マウス ボタンを押した状態でドラッグ

[暗くする] の [振り幅] スライダを直接設定します。

左マウスボタンを押した状態で画像を上下に クリック & ドラッグ

画像のそのトーンレベルに適用される明るさの量が増減します。画像とグラフの両方に、変更が反映されます。

(画像が実寸の場合にのみ - ズームなし)

<SHIFT>キー + 左マウスボタンを押した状態で画像を上下に クリック & ドラッグ

画像のそのトーンレベルに適用される暗さの量が増減します。

(画像が実寸の場合にのみ - ズームなし)

スライダーを右クリックすると既定値に戻します。

編集ブラシ を使用して、この効果を画像の特定の部分だけにこの効果を描画することができます。

グラデーションツール を使用して、画像の一部にこの効果を描画することができます。

放射状グラデーション ツール を使用して、効果を丸く適用したり、画像の中心に直接適用することができます。

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